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加工物語

羽田周辺の再開発加速

  国際化が進む羽田空港に接し、東京の“玄関口”ともいえる東京都大田区と川崎市の再開発が加速する。空港拡張に伴う広大な跡地を中心に最先端医療関連の産業集積や集客施設が計画されるほか、川崎市側と空港を結ぶ橋の建設も2020年に向けて動き出す見通しだ。空港へのアクセスではJR蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ「蒲蒲線」整備も検討されており、訪日客など空港からの人の流れを変える可能性もありそうだ。

 「もともと大田区の住民が住んでいた地域もあり、戦後GHQ(連合国軍総司令部)に立ち退きを余儀なくされた。今後は成長戦略の拠点として活用したい」

  大田区の白鳥信也・空港まちづくり担当課長は、羽田空港滑走路の沖合展開と国際線地区の整備により生じた空港跡地開発についてそう意気込んだ。

  大田区といえば、精密部品や電子部品など中小の町工場が集まるものづくりの町。川崎市も臨海部を中心に工場や石油コンビナートが集積して日本の高度経済成長を支えてきた地域だ。しかし1990年代に入って製造業の海外生産が加速すると、都心に近いこともあってマンションなど住宅地への転換が急ピッチで進んでいた。
 
 「2000年代に入り、住宅と既存工場を共存させるのに工場アパートを造ったが、08年完成の『テクノFRONT森ヶ崎』からは外部からも工場を誘致し始めた」(堀江豊・大田区産業交流担当課長)

  ちょうど羽田空港のD滑走路(10年供用開始)の建設工事が始まり、国際化に向けて動き出した時期だ。区は07年に施行された企業立地促進法に基づいて基本計画を策定し、4000以上の工場がある「産業のまち」の強みを生かしたまちづくりに積極的に取り組み出した。

  大田区の工場は約8割が機械金属加工分野。その特徴を生かし成長分野として力を入れているのが医療機器・器具などのものづくりだ。10年に廃校を活用した「大田区産業連携施設」内に東邦大学産業連携センターが入居。12年に医療機関と中小企業の連携を促す大田区医工連携支援センターを開設している。

  一方、京浜急行空港線、東京モノレールの天空橋駅のある空港跡地開発は長年の懸案となっていた。11年に総合特区制度で東京都のアジアヘッドクォーター特区の一部に指定されたが、まだ荒れ地の手付かずのまま。だが、今年4月に大田区が国家戦略特区に指定されたことを契機に開発計画を加速し、規制改革を活用した具体的なプランを今年度末までに策定する方針だ。海外から企業・人材を呼び込み、国際的な精密加工・研究開発ニーズに対応できる拠点づくりを進める。

  天空橋駅のある敷地西端の第1ゾーン(約20ヘクタール)では、駅周辺に防災拠点を兼ねた多目的広場を設置するとともに産業交流施設「羽田グローバルアライアンスセンター(仮称)」を建設する予定。20年までの完成を目指す。その東側の第2ゾーン(約17ヘクタール)は、環状8号線を多摩川沿いに移設し、国際線旅客ターミナルに隣接する敷地を生み出してからホテル・複合業務施設エリアとして開発する。

  多摩川を挟んだ南側の対岸では、特区制度で京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区に指定された川崎市殿町地区「キングスカイフロント」(約40ヘクタール)の開発が進む。04年に閉鎖されたいすゞ自動車川崎工場跡地が地区の半分以上を占め、川崎市とUR都市再生機構が跡地の区画整理を進めてきた。

  ライフサイエンスや環境分野の研究開発拠点の集積を進めており、6日にジョンソン・エンド・ジョンソンの東京サイエンスセンターがオープン。今年6月には大和ハウス工業が同地区A街区4.6ヘクタールの土地を取得し、研究開発型オフィスと商業施設の複合開発に着手した。神奈川県が推進するライフイノベーションセンター整備の事業パートナーにも大和ハウスと東京センチュリーリースが選ばれた。

  川崎市臨海部国際戦略室の山崎浩課長は「現在進行中の6つの建設プロジェクトが17年に完成する。残された課題は羽田空港との連絡橋だ」と指摘する(※図中16番)。

  連絡橋建設は、神奈川県や川崎市が繰り返し要望してきたが、対岸の大田区などに慎重な意見があった。だが、大田区と川崎市の双方が特区に指定され、東京五輪前の実現へ向け「菅義偉官房長官が前向きな発言をしているようだ」(山崎課長)と期待が高まる。

  羽田空港周辺の交通事情は、京浜急行の連続立体交差による踏切の解消と、環状8号線と国道15号の立体交差が12年に完成したことで劇的に改善した。羽田空港の国際線貨物の取扱量が2009年の1.6万トンから13年には15.5万トンと10倍近くに増えた。

  ヤマト運輸が国内最大級の物流拠点「羽田クロノゲート」を13年に開設したのもインフラ整備の効果だ。

  大田区が悲願とする東急電鉄多摩川線と京急空港線をつなぐ新空港線「蒲蒲線」が実現すれば、渋谷・池袋方面から羽田へのアクセスが大きく改善される。やはり人の流れを変える可能性があるため慎重意見もあるが、大きな経済効果が見込めることは確実だ。