天然繊維と大型マシニング、共同研究所設立

　科学技術研究庁（ＡＳＴＡＲ）とシンガポール国立大学（ＮＵＳ）は21日、天然繊維素材と大型マシニングの２つの共同研究所を設立したと発表した。地場の精密機械加工業の付加価値創造を支援するという。

　共同で研究所を設立したのは、ＡＳＴＡＲ傘下のシンガポール製造技術研究所（ＳＩＭＴｅｃｈ）とＮＵＳ工学部。博士課程の20人に奨学金を付与することで、人材育成も手掛ける。

　「天然繊維素材共同研究所」は、 生分解性ポリマーを基にした素材を使用した製造技術や、表面加工技術などを研究する。ＳＩＭＴｅｃｈは、天然繊維素材を使った建材や自動車部品、食品包装用素材などを研究してきた実績があるという。

　「大型マシニング共同研究所」は、一般的な３軸マシニングに２軸加えた５軸マシニング加工技術などを研究する。５軸マシニングセンタは複雑な加工ができることから、航空宇宙や石油・ガス、医療機器分野での需要が高いと説明している。米調査会社フロスト・アンド・サリバン（Ｆ＆Ｓ）は世界の機械・切削工具市場が向こう５年間に年率6.2％成長すると予想している。